ANAブロンズメンバーステータスは、プレミアムポイント(PP)30,000ptの達成で到達するプレミアムメンバー資格。
出張づくしのビジネスマンの方、旅行大好きで飛び回る方は意図せず到達してしまうかもしれませんし、SFC修行に励まれる方にとっては1つの通過点ですね。
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しかしこの資格、どのようなパワー・特典があるのか、調べてみないとよく分かりません。
本記事では、ANAブロンズ会員の特徴についてまとめると同時に、基準達成後、プレミアムメンバーとして得られる特典とメリットについてまとめていきます。
ANAブロンズメンバーの特典とメリット:嬉しいポイントは3つだけ?
特典項目 | 特典内容 |
---|---|
ご予約 | プレミアムメンバー専用サービスデスク★ 座席クラスのアップグレード 国内線の先行予約 国内線座席指定の優先 ご予約時の空席待ちの優先 国内線特典航空券・いっしょにマイル割の先行予約1 |
ラウンジ・空港 | ラウンジのご利用 優先チェックインカウンター 手荷物許容量のご優待 空港での空席待ちの優先お取り扱い 香港国際空港の優先レーン |
マイル・ポイント | フライトボーナスマイル★ ライフソリューションサービスボーナスマイル ANAゴールドカード / ANAカード プレミアム特別ボーナスマイル アップグレードポイント マイルからANA SKY コインへ特別倍率(最大1.7倍)で交換★ アップグレードポイントからANA SKY コインへの交換 |
旅行・日常 | プレミアムメンバー・スーパーフライヤーズ会員様特別宿泊プラン 国内ホテルのご優待 ツアー・オンラインツアーのご優待 レンタカーのご優待 ボーダレスWiFi「スカイベリー」利用時のご優待 ANAマイレージクラブ Financial Pass Visaデビットカードご利用時のご優待 |
メンバー限定ギフト | プレミアムメンバー限定 ANAセレクション |
ANAブロンズ会員になると何が変わり、どんな特典があるのか。ANAの公式Webサイトから一覧にして確認していきます。
ANAブロンズメンバーが享受できる特典の数は、空港と空の旅関連・予約関連・手続き関連を含め24個もあります。
が、しかし、その中で嬉しいポイント・メリットとしてすぐに享受することができるのは、実は★マークで示した3つだけ2なのかもしれません。
ブロンズサービス専用デスクの提供
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どんなにWebサービスが進化しても、やっぱり電話でのアクセスチャネルが必要になる・便利な場面というものがあります。
通常、一般のAMC会員であれば、一般専用のサービスデスクに問い合わせなければいけません。
一度でも電話をしたことのある方であればわかると思うのですが、時間帯によってはなぜかいつも混雑していますよね。
『順番にお繋ぎしております…』って本当か?もう5分も保留で待ってるぞ?ということも起きがちではないでしょうか。
一方で、プレミアムメンバー・『ブロンズ』サービスデスクがあれば、そもそもの利用者が限られていますから、飛行機の予約や旅の相談などをスムーズに取次してもらうことが可能になります。
また、専用デスクの存在は、不測の事態への対応という面でもメリットがあります。例えば空港で搭乗予定便が急きょ欠航になってしまった場合。振替便の手配・変更を行うためにはカウンターに向かわなければなりません。
ところがカウンターは大行列!これではいつ終わるのか、果たして振替手配は間に合うのかと、不安とイライラが募ります。
『そうだ、ANAのサービスデスクに電話してみよう』と気づいたところで他の人も考えることは同じ。きっと繋がりづらい状況になっているはずです。
このような際、プレミアムメンバー専用デスクがあれば、電話で一足先に変更手配…なんていうワザが使える可能性が高まります。人が殺到する時にある種の抜け道があるというのは何だか心強いですよね。
なお、デスク利用の際には携帯番号認証サービスに登録しておくと、よりスムーズ・快適になりますのでご参考まで。
ANA携帯番号認証サービス
フライトマイルボーナス:+45%を付与
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飛行機に乗って積算されるマイルは微々たるもの。
特に、陸でマイルを貯める術を身に着けている方にとってはなおさらお分かりいただける点だと思います。
しかし、微々たるものでも、『マイルが付く』ものについては、嬉しくはあってもイヤということはないですよね。
ANAのフライトマイルシミュレーターで、計算を行ってみます。
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フライトマイルは航空券の運賃種別によって合計が変化しますが、ビジネス利用で羽田-伊丹に搭乗した場合を想定し、計算条件は、ANAブロンズステイタス1年目・ANAゴールドカード保有・運賃3(普通運賃)になっています。
- ノンステータス:350マイル
- ブロンズメンバー:406マイル
1区間(片道)で56マイルの差が出ました。
たかが56マイルですが、ANA VISAワイドゴールドカード基準で、5,600円分の決済ポイントに相当3します。往復なら11,200円分ですから、結構お得な感じがしてきます。
なお、フライトボーナスマイルは発着空港間の区間基本マイレージに依拠しますから、当然遠くに飛んだ場合の方がボーナスマイル数は多くなります。(例えば羽田-那覇であれば同条件で1,230マイル,1,426マイルとなり、ボーナスマイル差は196マイルです。)
マイルからANA SKYコインへの交換倍率1.7倍
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ノンステータスのAMC一般会員の場合、ANA SKYコインへの交換レートは、ANAゴールドカード保有前提で1.6倍が最高倍率です。
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anaスカイコイン交換倍率ボーナス
一方でブロンズ会員の場合は0.1アップの最大1.7倍。
1度に5万マイルを交換する場合、倍率0.1の差は、5,000コインの差4となります。
スカイコインは1コイン=1円の価値がありますから、このとき単純に5,000円分の得をしている計算です。
コレは要らない!ANAブロンズ会員の特典とデメリット
24個もの特典を享受できるブロンズ会員ですが、中には『コレ要らないでしょー』というものもあります。
ラウンジの利用(マイル or アップグレードポイント負担あり)
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ブロンズサービスの『特典』として記載のあるラウンジの利用ですが、マイル(もしくはアップグレードポイント)の使用という、ある意味有償での特典です。
国内線ANAラウンジを有料利用した場合の金額が3,100円ですので、これを基準にすると1マイルの価値は3.1円。
マイルの価値としては極端に悪いワケではありませんが、マイルを使う程か?といえば微妙です。(アップグレードポイントも同様)
ANAラウンジは確かに最高なんですけどね。「(国内線の場合)1,000マイル使ってかぁ…」というのが本音です。
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出張で微妙なマイルが貯まるけど、特典航空券に交換できるほどじゃないし…というようなビジネスマンなどがこの特典を利用してくれることを想定しているのでしょうかね?
プレミアムエコノミーチェックインカウンターの利用
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国際線利用時、搭乗クラスにかかわわらずプレミアムエコノミーチェックインカウンターが使えるというこの特典。『おおっ』と思う前にちょっと冷静になってよく考えてみてください。
ANAをよく使う方、そして陸マイラーなら恐らく間違いなく持っているであろう、ANA VISAワイドゴールドカードがありますよね?
ANA VISAワイドゴールドカードでマイル還元率1.72%
このクレジットカードの特徴の1つに、以下があります。
ANAワイドカード会員、ANAワイドゴールドカード会員、ANAダイナースカード会員、ANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード会員、ANAカード プレミアム会員の方には、ANA国際線エコノミークラスご利用の際にもビジネスクラスカウンターをご利用になれます。
ご予約とフライトのサービス│ANAカードのご案内│ANAマイレージクラブ
プレミアムエコノミーカウンターより上位のビジネスクラスカウンターを、ブロンズ会員にならずとも使えることになっているんです。
ANAのマイルを貯めていて、先に示したANAカードを持っていないことはあまり考えづらい気がするので、この特典は個人的にかなりの『?』です。
空港での空席待ち優先
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空席待ち呼び出しを優先とは言っても、優先順位としては最上位のカテゴリA:ダイヤモンドメンバーから数えて5番手。
ANAダイヤ以下、SFC会員までって至る所に存在しますから、正攻法ではそもそも太刀打ちできない可能性が高いです。(無いよりはあった方が…というレベルでしょうか。)
なお、空席待ちに関しては、実は究極的に『早いもの勝ち』が徹底していることが分かっています。空席待ちは、出発20分前に確定し、優先順位の高い順に割り振られます。
この20分前に確定というのがミソで、この時間までに仮に空席が発生したとしても、単純に待っているだけでは誰かに奪われるということです。
常に手元の予約画面をチェックして、空席が発生した途端に押さえる…という手段で、一般会員であっても並んでいる上級会員を完全に出し抜くことが可能です。
ANAブロンズで特典航空券の取りやすさは変わるの?
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ANAプレミアムメンバーの1つであるブロンズ会員ですが、陸マイラーとして気になる、特典航空券の取りやすさについて何か変化があったりするのでしょうか。
ANA公式サイト上、ブロンズサービスの特典を紹介するページには『国際線特典航空券の優先予約』は表示されていません。
一方、ANAダイヤモンド,プラチナメンバー,スーパーフライヤーズ(SFC)についてはキッチリと特典の表示があります。
一応、念のため、自身+家族のAMCアカウントを利用して調査を行ってみます。
結論:ANAブロンズで特典航空券の取りやすさは『変わらない』
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画像は本記事執筆時点からおよそ1年後・東京-台北のANAエコノミークラス特典航空券2席の空席状況で、上がANAブロンズ,下がノンステータスです。
ご覧いただいたままなのですが、ブロンズもノンステータスも、全くもって一緒!何か違いが出ないかと、日程や路線を変えてみたりしましたが、状況は変わりませんでした。
ちなみに超激戦区と言われる東京-ホノルルのANAビジネスクラスも調べてみましたが、近接した日程であれば空席あり・数ヶ月先からはずっと空席なし。こちらの場合もブロンズもノンステータスも同じです。
やはりANAブロンズで特典航空券の取りやすさは『変わらない』んですね。
ANAのブロンズメンバーを狙って取得する意味は皆無
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ここまで、ANAブロンズメンバーの特典とメリットと『?』なポイントやデメリットについてまとめてきました。
ANAブロンズメンバーは、『人よりちょっと多めに飛行機に乗るけど、上級会員ほどではない。けれど、一般会員と同等ではなんだか具合が悪い』というような、なんだかネガティブな会員資格です。
(そんな方はいないと思いますが)特典の内容を見ても、出張族に嬉しい、めぼしいものもないですし、ANAのブロンズメンバーを狙って取得するという行為はまるで意味がないと言うしかありません。
ANAブロンズはプラチナ・SFCへの通過点に過ぎない
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ブロンズ会員になるために要するプレミアムポイントは30,000ですから、効率よくPPを獲得するとして、ベース費用で30万円以上は要しているわけです。
会社の出張で旅費が支給された上でこれだけ稼げるのであれば、あと20,000PPを自力で獲得してプラチナメンバー、次いでSFC取得を目指した方が何倍もお得ですよね。
このような点から、ANAブロンズはプラチナ・SFCへの通過点に過ぎません。
▽ANAプラチナステイタスについては以下の記事で詳しく紹介していますが、もはやブロンズとは比べ物にならないとはっきり言えます
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SFC修行の場合はブロンズサービスのプレミアムメンバー事前サービスを待つのがお得
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ANAダイヤモンドメンバーをはじめ、プラチナ、ブロンズにはそれぞれ『プレミアムメンバー事前サービス』が提供されます。
プレミアムメンバーサービスはもともと、今年の搭乗実績(PP)に応じて、来年度のステータスを決定するものです。
例えば2017年4月の時点で30,000PPを達成していても、あくまで来年度のステータスが本物ですから、今年のうちは、本来はプレミアムメンバーサービスを享受できません。
プレミアムメンバー事前サービスはこのように、前年の早いうちに翌年度ステータスを確定させた方に対し、本サービスと同等の特典を与えるものです。
ANAブロンズ事前サービスは本サービスとほとんど同じ!
ただしあくまで『事前』ですから、アップグレードポイントなど、一部の特典は使えないことになっています。
なお、ブロンズ事前でできないものは以下の2つのみ。
- アップグレードポイントによる座席アップグレード
- アップグレードポイントからANA SKYコインへの交換
上記以外はブロンズ本サービスと全く同じなので、 SFC修行をしている方、特に、『マイルをスカイコインに交換して航空券を買う』パターンの方の場合、前述したようにマイルからANA SKYコインへの交換倍率1.7倍というメリットがありますから、これを使わない手はありません。
スカイコイン交換手順とメリット
ブロンズステータス到達を待たずに一気に修行旅程を予約・購入してしまっても構いませんが、必ず通過するブロンズ(事前サービス)を待って、1.7倍を有効活用するのがお得です。
まとめ
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ANAブロンズ会員は、それ単独ではあまりメリットを感じることができませんから、目指すには値しません。
もし余裕・興味があるのであれば、あと20,000PPを追加して、プラチナ、次いでSFC会員を目指す方が、将来的にもお得で・役立ちます。
SFC修行など、ブロンズを必ず通る場合には、わずかですがメリットもありますから、それらを享受しながら有効に活用してみてください。
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